頚椎症性神経根症
状態
- 人間の体には“脊髄(せきずい)”という、脳と体をつなぐ大切な神経が首から腰にかけて存在します。その脊髄のうち、首にある部分を頚髄(けいずい)といいます。頚髄は骨の中で保護されていますが、一部の神経が枝分かれをして、骨から出て肩や腕に伸びていきます。この枝分かれした神経を、神経根(しんけいこん)といいます。
- 頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)では、この神経根が様々な原因で圧迫されることによって起こる病気です。
症状
- 首や肩の痛みやしびれ
- 手や指の痛みやしびれ
- 手のうごかしにくさ
症状は徐々に進行することが多く、場合によっては日常生活に支障を来すこともあります。
原因
- 加齢による骨の変形や変性
- 椎間板(骨と骨の間のクッションである軟骨)の変性や頚椎椎間板ヘルニア
- 頚髄周辺の靭帯(じんたい)の肥厚
- 加齢に伴い首の骨のアライメント(並び方)がくずれてきている
- 交通事故やスポーツなどで首に大きな力がかかる
- 長時間同じ姿勢でいる
これらにより骨や椎間板に負担がかかり、変形や変性の原因になります。
治療法
- 日常生活動作の改善(姿勢や生活習慣を見直す)
- リハビリテーション(ストレッチやエクササイズを含む)
- 痛みなどの症状に対して、薬を飲んだり湿布を貼ったりする。
- 重症の方の場合は手術を検討することもあります。
有効なリハビリテーション
理学療法は、首周りの筋肉を強化し、支える機能を向上させることで、神経への圧迫を減らし、症状を緩和させることが目的です。具体的にはストレッチや筋力トレーニングを含めたエクササイズなどを行ないます。
日常生活で気をつけること
- 姿勢を良くする:長時間同じ姿勢でいることを避け、適切な姿勢を心がけることが重要です。
- 定期的な休息:作業やデスクワークの間には、定期的に休憩をとり、ストレッチを行うことを推奨します。
- 過度なトレーニングを行わない:トレーニングによっては首の骨や椎間板に負担がかかるものがあります。
まとめ
頚椎症性神経根症は首周りの神経の一部が圧迫されることで、手や腕の痛みやしびれなどの症状が出ます。特に頚椎症性頚髄症を合併していることもありますので、早期発見・早期治療が大切です。
ご心配な方はぜひ一度当院でご相談ください。