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外傷性頚部症候群(むちうち)

外傷性頚部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん、通称:むちうち)は、強い衝撃により頭部が強く前後に揺さぶられることで首まわりの症状が出ます。特に交通事故で後方から衝突により起こることが多く、頚部の筋肉、神経、靭帯(じんたい)、椎間板(ついかんばん)などが急に伸ばされたり、圧迫されたりして、さまざまな症状が現れます。


状態と症状

外傷性頚部症候群の症状は、事故直後から数日経ってから現れることがあり、以下のような症状が一般的です。

  • 首の痛み
  • 首のうごかしにくさ
  • 肩や背中への放散痛
  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気
  • 手足のしびれや感覚異常
  • 疲労感や集中力の低下

原因

予期せぬ衝突(追突)により、約4kg(成人の場合)もある重い頭部が前後に強く揺さぶられることで、頭を支えている首まわりの骨、筋肉、腱、靭帯などの周辺組織が過度に伸びたり圧迫されることが原因です。

特に交通事故で後ろから追突された場合に起こることが多いです。

治療法

治療は、症状の重さと個々の状態に応じて異なりますが、以下の方法が一般的です。

  • 薬物療法:内服薬(のみ薬)としては痛み止めや筋肉をほぐすお薬を、外用薬(塗ったり、貼ったりするお薬)としては湿布や塗り薬を使うことが多いです。

  • リハビリテーション:症状の軽減と頚部の機能回復を目的とした理学療法が行われます。ストレッチや筋肉を強化する運動が含まれます。また、牽引(けんいん)などの物理療法も効果的な場合があります。

  • 外固定:頚椎カラーという装具を使い、首のサポートを行います。この装具を装着することで首の安静を図ります。


心理的な側面

交通事故にあった方は身体的な症状がでるだけでなく、外傷後麻痺、解離、ショック、否認、罪悪感、怒り、不安などといった複雑な心理的変化をきたします。特に被害者の方に関しては、自分がなぜ事故にあったのかという説明のできない事態に対して様々な感情をいだきます。

慢性疼痛(まんせいとうつう:痛みが長く続くこと)と心理的な背景については、以前より関係があると言われています。

そのため、当院ではできませんが、カウンセリングや認知行動療法、サポートグループ、瞑想やヨガなどのリラクゼーション療法などの心理的なサポートが事故後の心理的な回復を促進し、症状の緩和につながることがあります。


有効なリハビリテーション

症状の軽減と機能の回復を目指して、柔軟性を向上させるストレッチや、頚部周辺の筋肉を強化するエクササイズが推奨されます。また、慢性化を防ぐためにも、早期からの適切なリハビリテーションが重要です。

日常生活で気をつけること

  • 事故直後は、無理をせずに身体を休める
  • 日常生活での正しい姿勢を保つように心がける
  • 頚椎カラーはあまり長期間つけないようにする
  • 長時間同じ姿勢でいることを避ける
  • 定期的に休憩を取り、軽いストレッチを行う

まとめ

外傷性頚部症候群は、交通事故などにより予想外の外力を受けることにより、首回りに様々な症状が出ます。

適切な治療とリハビリテーションにより改善が見込めます。しかし受けた衝撃の強さや心理的な側面がそれぞれ違うため、患者さんによって回復までの期間は大きく異なります。

そのため事故後にこれらの症状が現れた場合は、医療機関を受診し、専門家の診断と指導のもとで治療を受けることが重要です。場合によっては心理的なサポートが効果的な場合もあります。

ご心配な方は是非一度当院でご相談ください。

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